一般社団法人ノーコード推進協会とは?活動内容やビジョンを徹底取材!
本記事では、一般社団法人ノーコード推進協会の代表理事である中山五輪男さんへの取材を行いました。
【プロフィール紹介】
中山五輪男(なかやまいわお)
1964年5月長野県伊那市生まれ。法政大学工学部卒業。複数の外資系ITベンダーやソフトバンク、富士通の常務理事などを経て、現在はアステリア社のCXO(最高変革責任者)、および首席エバンジェリストとして広く活動中。さらには2022年秋に自ら設立した一般社団法人ノーコード推進協会の代表理事も務めている。最先端テクノロジーを得意分野とし、年間200回以上全国各地での講演活動を通じてビジネスユーザーへの訴求活動を実践している。様々な書籍の執筆活動や複数のTV番組出演での訴求など、 エバンジェリストとしての活動をしつつ、国内30以上の大学での特別講師も務めている。
紹介ページ:https://www.kouenirai.com/profile/9718
ノーコードにまつわるここだけのお話も記載しているので、ぜひ最後までお読みください。
取材先:一般社団法人ノーコード推進協会
一般社団法人ノーコード推進協会とは?
一般社団法人ノーコード推進協会は『日本のソフトウェア文化を変革する』というビジョンを掲げてノーコードを活用したDX支援を行っている協会です。
主な活動は以下の通りです。
- 情報共有
- 普及活動
- 領域拡大
イベントやセミナー、書籍の出版やマーケティング戦略の立案まで幅広い活動を行っています。
代表理事を務める中山さんを取材
ノクステックでは、一般社団法人ノーコード推進協会の代表理事を務める中山五輪男さんに取材を行いました。
今回質問した項目は以下の通りです。
- ノーコードを推進する理由とは?
- どういう人がノーコードに向いているのか?
- 「ノーコードをやっててよかったな!」というエピソードとは?
- 今後ノーコード業界はどうなっていくか?
- 中山様はどんな想いで活動しているのか?
- ノーコード推進協会の今後の展望とは?
以下で詳しく紹介します。
質問①:ノーコードを推進する理由とは?
日本のDXが欧米諸国と遅れていると指摘されている理由の1つに、日本と海外とのソフトウェア文化の違いがあると考えています。
日本のソフトウェア文化は欧米諸国の文化と大きく異なっています。
欧米諸国では出来合いのパッケージソフトを買ってきたり、各種クラウドサービスを採用するなどして、自分らの業務をパッケージソフトやクラウドサービスに合わせる、もしくは自社内にアプリケーションやシステム開発ができるエンジニアを抱えて内製化をしています。
日本のソフトウェア文化は一言でいえば「他人任せ」です。
自分たち専用のシステムを作りたがり、そのために外部のシステム開発企業に多額のお金を払ってシステムやアプリケーションを開発してもらってきました。
それができる大企業はいいのですが、デジタル人材がおらず、さらには十分なDX予算も持っていない中小企業ではそれすらできず何もできずにいるのが現状です。
この他人任せのソフトウェア文化を変えていかないことには日本の、特に中小企業におけるDXの進展は期待できないでしょう。
ではどうすればデジタル人材がおらず、十分なDX予算もない中小企業のDXを推進させることができるのでしょうか?
答えは「ノーコード」だと思われます。
「ノーコード」とは「ノンプログラミング」のことを意味しており、プログラムを書かなくてもアプリケーションを開発できるソフトウェアのことです。
ノーコードを使用すると、ドラッグアンドドロップや視覚的な構成ツールを使用して、アプリケーションを開発することが可能であり、これまで全くプログラミングというものを経験したことがなかった文系の方でも容易にアプリケーション開発ができます。
日本のソフトウェア文化を変えるにはノーコードの推進が必要だと考えています。
質問②:どういう人がノーコードに向いているのか?
日本の義務教育におけるプログラミング教育の一環として、米国マサチューセッツ工科大学が開発したノーコードツールの「Scratch」が広く活用されているという事実をご存知でしょうか?
Scratchは、ビジュアルプログラミング環境で、プログラミングを行わずにブロックを組み合わせてアプリケーションを作成できるため、子供たちがプログラミングの基本的な概念を学ぶのに適しています。
Scratchは、小学校の初等教育段階から導入されており、子供たちは、Scratchを使用してアニメーション、ゲーム、ストーリーなどのプロジェクトを作成する方法を学びます。
では企業向けのノーコードツールはどうでしょうか?サイボウズ社のキントーンに代表される企業向けのノーコードツールもScratchと同様に簡単な操作で業務アプリが開発できる仕組みとなっています。
すでに多くの国内企業や市役所などの自治体でもノーコードツールの導入が進んでおり、現場では理系出身の方のみならずデジタルが苦手な文系出身の方でもノーコードツールを使いこなしています。
つまりノーコードは万人向けのツールであり誰にでも向いていると思われます。
質問③:「ノーコードをやっててよかったな!」というエピソードとは?
コロナが蔓延した当初はビジネス状況が一変してしまったために、その急激な変化に対応するための様々な業務アプリの開発が急務となりました。
例えばどこの企業でも社員の健康状況を管理する仕組みが必要だったのです。
社員のスマホや自宅でテレワークの際に使用しているPCから健康状況を社員が簡単に入力し、会社側が管理できる仕組みが必要とされました。
しかしこのような仕組みを実現する小さなアプリを開発しようにも、いちいち外部のシステム開発企業に依頼していては時間もかかるし、お金も必要となります。
ノーコードツールであればこのようなアプリも数時間で社員が開発できてしまうため、多くのノーコードツール導入企業は救われたというエピソードを私は何度も耳にしました。
質問④:今後ノーコード業界はどうなっていくか?
既に国内では200を超える、さらには海外では500を超える様々なジャンルのノーコードツールが存在していると言われています。
今後日本においては多くのソフトウェア開発企業がノーコードツールを世の中にリリースしていくことでしょう。
また生成AIの全世界における急速な進展により、日本のノーコード業界においてもノーコードツールと生成AIとの融合が始まっています。
生成AIとの組み合わせにより従来の「マウスの操作でアプリを作る」から「人間の言葉でアプリを作る」という新たなステージに進んでいくことでしょうし、既に多くのノーコードツール開発企業がこのような対応を始めています。
またノーコードツールなら簡単に社員がアプリを開発できるとはいえ、最初の一歩をなかなか踏み出せないユーザ企業が多いのも事実です。
そこで最近では「伴走型サービス」というものが脚光を浴びており、ユーザ企業におけるノーコードツール導入の最初のステージを手取り足取りサポートするというサービスが人気を得ています。
今後はノーコードツールを開発する企業のみならず、ユーザ企業のノーコード導入をサポートするという企業も増えていくことでしょう。
質問⑤:中山様は、どんな想いで活動しているのか?
とにかく全国の多くの方々に「ノーコード」を知ってもらうことが急務と考えています。
私は全国各地でノーコードや生成AI、さらにはDX全般について講演する機会が多いのですが、講演の後に参加された地方企業の方々と会話すると「ノーコードというものを知らなかった」と発言される方が非常に多いことに驚いています。
IT業界に身を置く方々にとっては知っていて当たり前の言葉ですが、そもそも「ノーコード」という言葉自体がまだ一般の方からの市民権を得ていないというのが現状です。
まずは国内における様々なノーコード導入成功事例を多くの方々にお伝えし、興味を持ってもらった上で実際にノーコードを活用してもらえるように普及活動を継続していきたいと考えています。
そして日本のソフトウェア文化を大きく変貌させていきたいとも考えています。
質問⑥:ノーコード推進協会の今後の展望とは?
私が協会設立当時に考えたノーコード推進協会のビジョンは「ノーコードで日本のソフトウェア文化を変革する」です。
このビジョンに賛同して協会に加盟していただける企業様や自治体様が増えており、まもなく加盟企業数が200社に達しようとしています。
ノーコードの国内普及に向けて加盟企業の数を増やしていくだけではなく、様々な施策を通じてノーコードの魅力を伝えていきたいと考えています。
実際に協会設立からこの2年間でいくつもの施策を実施してきました。
例えばイベントとしては「ノーコードシンポジウム」や「日本ノーコード大賞」の開催、また「ノーコードパスポート試験」という認定試験も開始し多くの方々に受験いただいています。
さらには自治体DXの後押しとなるようにと「ノーコード宣言シティー」というプログラムも実施してきました。
現時点では協会内には「出版部会」、「広報部会」、「教育部会」、「地方創生部会」の4つの部会が存在し、それぞれの部会が積極的に活動されていますが、必要に応じて部会の種類も増やして今後も協会加盟企業様らと共に日本のソフトウェア文化変革に向けて活動していきます。
一般社団法人ノーコード推進協会に入会する方法
一般社団法人ノーコード推進協会に入会するには入会金を支払う必要があります。
一般社団法人ノーコード推進協会
年会費(1)年間売上高10億円以上:30万円
(2)年間売上高 1億円以上:10万円
(3)年間売上高 1億円未満:3万円
まとめ
本記事では、一般社団法人ノーコード推進協会の代表理事を務める中山五輪男さんを取材しました。
ノーコードを活用することで、これまでは難しいと考えられていた分野でのDX化が可能になります。
今回の取材を通して、さらなるノーコードの認知拡大に繋がりますと幸いです。
取材先:一般社団法人ノーコード推進協会